クライアントのニーズ、そしてエンジニア自身のニーズは時代とともに変わっていくもの。最近ではフリーランスとして働くことを選ぶエンジニアも増えてきていて、エンジニアの働き方や目指すキャリア・キャリアパスなどが変化しつつあります。
今この記事をご覧の皆さんもフリーランスエンジニアを目指している、あるいは今すでにフリーランスエンジニアとして働いている状態のどちらかに当てはまる人が多いのではないでしょうか?
今回はそんな変化の時代を生き抜くために必要な、フリーランスエンジニアのキャリアやキャリアパスについてご紹介します。今後の方向性を決めるためにもぜひ参考にしてみてください。
Contents
エンジニアを取り巻く環境
2020年から小学校でプログラミングが必修化することが決まるなど、少し前には考えもつかなかった方向性に進んでいっている現在。また、最近の新規求人倍率推移を見ても今後さらに「情報処理・通信技術者」の求人数は上がっていくことが予想されます。
「情報処理・通信技術者」新規求人倍率
平成21年度 0.83
平成25年度 2.96
平成26年度 3.25
平成30年度 4.43
出典:厚生労働省 労働市場分析レポート 第 61 号 平成 28 年 1 月 29 日「求人倍率の高い職業の動向」
出典:厚生労働省 一般職業紹介状況(平成30年9月分) 職業別一般職業紹介状況
上記のように右肩上がりに増えていく求人ニーズがある中、自分のキャリアをどう考えていけばいいのでしょうか?
2020年までの短気、そしてそれ以降の長期的な期間で考えても、東京オリンピック以降の景気・少子高齢化+人口減の影響・外国人労働者の受け入れ・プログラミング必修化でエンジニア人口の増加可能性などで、エンジニアを取り巻く環境はさらに大きく変化していくことが予想されます。
日本より人件費の安い地域に日本の技術者よりもスキルが高い人がいて開発はすべて海外に移ったら、エンジニア人口が増えたら、今の高給をもらい続けることが難しくなるかもしれません。
このような可能性も考慮に入れた上で、どのようなキャリアパスを描くかは慎重に検討しておく必要があるでしょう。
エンジニアのキャリアパスとは?
ここで、エンジニアのキャリアパスについて改めて考えてみましょう。フリーランスエンジニアが増える前のキャリアパスを従来型、後を未来型として比較してみます。
まずは従来型のエンジニアが、どのようなキャリアパスで進んでいたかを振り返ってみましょう。
従来型エンジニアのキャリアパス
これまではあまりフリーランスという選択肢がなく、会社勤めがメインだったエンジニアは、下記の4つの職種を移行する形でのキャリアパスが一般的でした。
プログラマー(PG)
コミュニケーションは社内メイン・人と接さずにコツコツ作業を行う仕事。
プログラマーはアプリやシステムの仕様や設計がすべて決まった後、実際に手を動かしてコードを書く職種のことを指します。コーディングをコツコツと行っていくため、ひたすら画面と向き合って作業を進めることがほとんど。
コーディングし終わった後は、設計通りにそのシステムやアプリが動くかをテストし、1つの業務が完了します。
システムエンジニア(SE)
コミュニケーションは社内外の両方・設計内容を人に伝えて動かす仕事。
システムエンジニアは、お客様とやりとりをするところから仕事がスタートします。最初にお客様からシステムやアプリの要望を受け、それを実現するためにどのような仕様がフィットするのかを考えて設計・開発を行って稼働までを担当するのが仕事。
設計を行った後顧客に確認を取って、「本来の目的が達成できる内容になっているか」を確認してもらいます。OKが出たら企業によって実際のコーディングまで担当する場合も。
プログラマーからシステムエンジニアに移行、プロジェクトリーダー→プロジェクトマネージャーへの道を目指す人もいます。プログラマーのままで勤務を続ける人も少なくありません。
プロジェクトリーダー(PL)
コミュニケーションは社内メイン・プロジェクトを計画通りに遂行し、納品までの責任を持つ仕事。
プロジェクトマネージャーとの違いがわかりにくい場合も多く、企業によって役割の幅が異なる場合もあります。基本的には現場でうまく動かすために奔走してくれるのがプロジェクトリーダーという位置づけであることが多いです。
自分が手を動かすわけではないから、一般的な企業のマネージャーのような感覚を持つ人も多いのではないでしょうか。
プロジェクトマネージャー(PM)
コミュニケーションは社内メイン・予算やスケジュール、人材などを管理する仕事。
プロジェクトマネージャーはプロジェクトを「管理」する人。プロジェクトリーダーで紹介したような仕事を行う場合もあれば、予算やスケジュール、人材などを管理するなど、一般的な企業の部長クラスの仕事を行うこともあります。これも企業によって異なるため、よく確認することが重要です。
最近ではプロジェクトマネージャーを外部から登用するケースも多く、フリーランスの仕事でも増えてきています。
自分の特性やコミュニケーション力に応じて、このようなキャリアパスの中から合ったものを選択するのが従来型のキャリアパスでした。
未来型エンジニアのキャリアパス
未来型エンジニアのキャリアパスとしては、従来型に加えて下記3つのキャリアが考えられます。
フリーランスエンジニア
会社に勤めるエンジニアではなく、それぞれのプロジェクトごとに商談(面接)を行って、案件の参画をする方法で仕事を行います。そのプロジェクトが終わったら契約が終了し、また別のプロジェクトに参画するという常駐型。あるいは請負・準委任のような形でプロジェクトを引き取って在宅で行う契約の大きく分けて2種類の働き方があります。
どちらに関しても会社員エンジニアだったときのような長時間拘束はありませんし、提示される年収も高いため、効率よく働けることを魅力にフリーランスエンジニアに転身する人も多くなってきています。
職種としては、プログラマー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャーなどもありますし、Web系からインフラ系までさまざまな案件があるため、自分の得意分野で探すことが可能です。
会社員エンジニアとフリーランスエンジニアの使い分け
働き方改革が進み会社員の中でも多様な働き方が認められてきているのと同時に、フリーランスに対しても以前のような抵抗感はなくなってきています。よって、自身のライフイベントなどに合わせて、会社員とフリーランスを行ったり来たりすることも可能になりました。
例えば、
- 一度、会社員からフリーランスになった後、結婚を機に再度会社員に戻る
- 子供が幼い時期だけ時間的な融通が利くフリーランスになり、子供がある程度大きくなってから会社員に戻る
など、まさしく“縛られないキャリアプラン”が可能となっていきます。
ITスペシャリスト、コンサルタント
フリーランスエンジニアのように実際に手を動かして開発するのではなく、ITに関する技術的な課題を解決していくのがITスペシャリスト、コンサルタントです。ITに疎い企業であっても、ITの活用が必須の時代になっているため、今まで以上にIT戦略・活用が経営に直結してきます。よって、今まで一部のコンサルタント会社出身者のみが対象になっていた戦略の立案・実施のサポートなどを行って対価をもらう仕事もキャリアプランの一つになり得ます。
アクセンチュア・トーマツなどのコンサルティングファーム以外にもヤフーやNTT、日立などの有名企業でもコンサルタントとしての仕事が存在します。もちろんコンサルティングを行っていくわけですから、単に開発の経験を持っているというだけではなれません。
他の企業でも通用する力を身につけてる必要があります。また、人を説得し動かすことが必要になりますから、コミュニケーション力と戦略性のある思考力の両方を求められる仕事です。
このように、従来型に含まれる仕事以外の未来型キャリアパスとしては、働き方の変更や上流工程の仕事を取りに行くという特徴が出てきているのがわかります。自分がどのようなキャリアパスを希望しているのかをよく考えて、次の道を選択するようにしましょう。
では次の章でいつまでも活躍できるキャリアを描くためのコツについて、ご紹介します。
いつまでも活躍できるキャリアを描くためのコツ3つ
今後、フリーランスエンジニアも含めてエンジニアがキャリアパスを考えるにあたって必要な考え方を3つご紹介します。
- スキルを「消費」しない
- 世の中の動向を注視する
- 常に新しい言語や知識を習得することを辞めない
1.スキルを「消費」しない
20代・30代のうちはエンジニアとして1番稼げる時期でもあるため、ある程度の実績があれば、会社員時代よりも非常に高い給料を獲得することができます。しかし、エンジニアとしてスキルを「消費」している場合、収入は40代くらいから徐々に下がり始める可能性が高いといえるでしょう。
スキルを「消費」しているというのは、20~30代で得たスキルをブラッシュアップせず、同じスキルをただ使うだけという仕事の仕方を指します。逆に経験を積み継続的なスキルアップに取り組んでいる40代は、さらなる高収入での活躍も可能です。
フリーランスになっている場合は会社に勤めている場合と異なり、年収が一気に上がる可能性もありますが、一気に下がるといったことが考えられますので、注意しましょう。
2.世の中の動向を注視する
継続的なスキルアップにもつながるのですが、世の中の動向をよく観察することもいつまでも活躍できるキャリアを描くためには非常に重要です。スキルアップしていたとしても、それが求められなくなっていくスキルであれば意味がありません。
仕事に活かせるスキルを身につけるには、世の中のニーズをキャッチして必要になるであろうスキルを見つける能力も必要になってきます。
ここで最も簡単な“ニーズをキャッチする”方法をご紹介します。それは、エージェント会社の案件情報を確認することです。案件情報は、今市場(企業)が求められている経験やスキルが反映されています。この動向を定期にチェックしていれば、求められているスキルや経験の傾向が分かります。
一部非公開情報もありますが、エミリーエンジニアでも案件情報を載せていますので、一度チェックしてみてください。⇒案件を確認する
3.常に新しい言語や知識を習得することを辞めない
ある程度の実績があることはよいことですが、新しい言語や知識の習得をストップしてしまってはあっという間に世間から置いていかれてしまいます。一瞬休んでしまうと取り返すのに何年もかかる可能性もあるので注意しましょう。
年齢を追うごとに自分より若い年齢の人よりも記憶力・スキルの習得能力も落ちていくのは致し方ないこと。それを考慮した上で行動していくことが何より重要になってくることは忘れないようにしましょう。
まとめ
フリーランスエンジニアのキャリアやキャリアパス、変化の時代を生き抜くために必要なコツについてご紹介しました。特に変化の激しい業界のため、これらのポイントを押さえておくことで、大きくキャリアアップに役立てられるはずです。
ただ、忙しくて自分一人ではキャッチアップできる情報は限られてしまいます。知らないことで損をしてしまうのはもったいないので、気軽に意見を聞けるエージェンと1社でも良いので付き合っておく方が良いでしょう。
エミリーエンジニアでは、案件紹介だけでなくキャリアプランのご相談や業界動向などの情報提供も行っております。自分がいつまでも活躍できる存在であり続けるために、ぜひお気軽にご相談してみてはいかがでしょうか。