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フリーランスに福利厚生制度はない!代替えサービスを活用しよう

福利厚生制度とは?

会社員は当たり前のように活用できる福利厚生制度。
企業の福利厚生は、宿泊やレジャーの優待や割引サービスだけでなく、健康診断や資格取得支援、家賃や食事の補助といったものから、誕生日休暇などの休暇制度まで多岐に渡ります。
フリーランスになると、これらの制度はありません。

企業の福利厚生は、健康保険・介護保険に、厚生年金保険、雇用保険 などの法定福利と呼ばれるものと、企業が任意に整備している法定外福利と呼ばれるものに分けられます。
経団連の調査によると、2016年の会社員1人あたりの法定福利費は1ヶ月約11万円、法定外福利費は1ヶ月約2.5万円とされています。※
フリーランスになると、会社員の法定福利費にあたる部分は国民年金・国民健康保険に加入することになりますが、雇用保険はありません。また、法定外福利にあたる制度がなく全額自己負担となります。
平均1ヶ月2.5万円の法定外福利費ではありますが、家賃補助や食事補助などがある企業ではそれ以上の金額になる場合も多いでしょう。また、フリーランスとして独立後はこれらは経費としても認められないものがほとんどです。
プライベートな家賃や食事は全く認められませんし、健康診断にかかる費用も経費にはなりません。

このように、フリーランスには会社員のような福利厚生制度がないため、会社員と同等の収入では実質手取りが減っているという事態にもなりかねません。自分が会社員時代に受けていた福利厚生費を把握し、自分の報酬の基準に組み込むことも忘れずに検討しましょう。

※ 第 61 回福利厚生費調査結果報告 2016 年度(2016年4月~2017 年 3 月)/一般社団法人日本経済団体連合会
http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/106_honbun.pdf

フリーランスに福利厚生制度はない!会社員とフリーランスの違い3つ

・金銭補助の福利厚生がなくなります

多くの企業で制度化されている慶弔見舞金も福利厚生制度の一つです。
他にも、家賃補助・食事補助、資格取得、携帯補助などの金銭的な補助制度がある企業で働いていた場合、フリーランスとして独立すると全額自己負担となります。
補助を受けていた金額分が全額自己負担となるため、報酬額を検討する際に加味する必要があります。

・休暇制度もなくなります

フリーランスになると、有給休暇や誕生日休暇などの休暇制度はありません。
稼働を調整さえできれば休暇を取ることはできますが、有償の休暇はありません。
特に、病気やけがで休まなければならなくなってしまっても報酬はでないため注意が必要です。
健康状態が収入に直結するともいえ、フリーランスにとって健康管理は会社員以上に気を付けるべき課題です。

・健康診断もありません

フリーランスになると健康診断の義務はありません。
会社員の健康診断は法律で義務付けられていますが、フリーランスにはその制度がないのです。さらに、健康診断の費用は個人事業の経費としても認められていません。
しかし、フリーランスは体が資本です。自治体が開催しているものなどを活用し、自主的に健康診断は受けることをおすすめします。

フリーランス向け福利厚生制度

このように、会社員のような福利厚生制度はフリーランスにはないのが現状ですが、近年、フリーランスの福利厚生に対応するサービスがいくつか登場しています。主なサービスをご紹介いたします。

1. フリーランス協会 ベネフィットプラン

フリーランス向けの福利厚生サービスの中で、エンジニアに最もおすすめなのが、フリーランス協会が提供しているベネフィットプランです。
福利厚生企業が提供するサービスが使えるだけでなく、もしものトラブルに対応できる賠償責任補償が自動付帯されています。その他、フリーランス生活に欠かせない会計ソフトの特典や法務税務相談の割引など、すぐに活用できる特典が豊富に取り揃えられています。
年会費1万円で、ここまで活用できる福利厚生サービスは現状他にはありません。

【フリーランス協会 ベネフィットプランの内容】
・費用:
年会費1万円。入会金などは必要ありません。

・賠償責任補償(自動付帯)

情報漏洩や納品物の瑕疵、納期遅延等に対応しているため、エンジニアに多いトラブルもカバーできる内容となっています。

・所得補償制度(任意付帯)

病気などで稼働できなくなった場合に受け取ることができる保険です。
医療費の出費があるのに、稼働できず収入がないという最悪の事態に対応できます。

・福利厚生サービスWelbox(自動付帯)

Welboxが提供するサービスを利用できます。
宿泊施設などの優待や、健康診断の割引、スキルアップのための講座受講料が割引になったりとお得な内容となっています。

・ツールの割引特典(任意付帯)

会計ソフトfreeeや弥生会計など、ビジネスチャットChatworkをはじめとルするツールの一定期間無償提供の特典があり、事業に活用するツール選びの際に試しやすい内容となっています。

・金融サービス特典(任意付帯)

フリーランスになくてはならない、銀行口座やクレジットカードも特典が用意されています。ジャパンネット銀行の各種手数料の優遇や、クレジットカード発行の年会費特典などを提供しています。

・その他(任意付帯)

法務税務相談の割引や、ワークスペースの割引、カウンセリングの特別価格や家事代行サービスの割引など、フリーランス生活をサポートする多くの特典が用意されています。

※ フリーランス協会/フリーランスのための保険、福利厚生、コミュニティ
https://www.freelance-jp.org/benefits

フリーランスエンジニア専門のエージェントの中には、数は少ないですが、この年会費1万円を負担してくれるエージェントもありますので、ご利用のエージェントにご確認ください(諸条件は適用されますが、この記事をホストしているエミリーエンジニアもその一つです)。

2. クラウドソーシング企業による福利厚生プラン

ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシング企業がフリーランス向けに提供している福利厚生サービスもあります。
これらも、福利厚生企業によるサービスが受けられたりスキルアップなどの特典がついていたりといった内容になっています。
ただし、利用するためには、各クラウドソーシングで一定額以上の仕事を継続して受けていることが条件となります。クラウドワークスの場合は毎月3000円以上、ランサーズの場合は毎月5000円以上の報酬を得ていなければなりません。
これらのクラウドソーシングで継続案件を受注するなどすれば、無料で福利厚生サービスを活用できると言えそうです。
また、賠償責任補償などの保険は付帯されていません。

【クラウドソーシング企業の福利厚生サービス内容】
・年会費:無料
ただし、各クラウドソーシングを利用して一定額の報酬を受けていることが条件

・福利厚生サービス
旅行やレジャー、グルメなどの優待や、健康診断の割引、育児介護サービスの割引などが使えます。
・業務用ツールの割引特典
会計ソフトやや素材集、ホスティングやビジネスチャットなどのツールが割引や特典付きでお得に利用できます。
・スキルアップ特典
スキルアップ向けの様々な講座を優待価格で受講できます。
オンライン向けの講座も多く、フリーランスが受講しやすいラインナップです。

※フリーランストータルサポート | クラウドソーシング「ランサーズ」
https://www.lancers.jp/benefit
※フリーランス ライフサポート【クラウドワークス】
https://crowdworks.jp/u/welfare

3. 各地域の中小企業勤労者福祉サービスセンター、商工会議所によるプラン

各地域ごとに設置されている中小企業向けのサポート団体でも、福利厚生サービスを提供しているところがあります。中小企業向けとされていますが、個人で加入できるところもあります。
東京都の場合は市区ごとに設置されていて、健康診断の補助や慶弔祝い金の支給、各種サービスの優待などが、月会費数百円で受けられます。個人で加入ができるかどうかは、各地域の窓口に確認が必要です。※1

※1 中小企業勤労者福祉サービスセンター事業について – TOKYOはたらくネット
https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/kaizen/fukuri/fukusi/index.html

また、商工会議所も福利厚生プランを提供しています。
東京都の場合は、クラブCCIというサービスを提供しています。
利用するためには、商工会議所への入会が必要。商工会議所へ加入するには、入会金3000円と年会費10,000円(1口)以上がかかります。
個人事業主でも加入はできるのですが、商工会議所は経営相談や資金調達、販路拡大や人材育成に関するサポートがメインとなるため、法人設立や事業の立ち上げを検討しているエンジニアの方には加入メリットがあるでしょう。※2
福利厚生プラン加入のためだけに商工会議所に加入するのであれば、フリーランス協会のベネフィットプランへの加入の方が費用面でも内容でも有利だと言えそうです。

※2 会社・企業の福利厚生代行サービスCLUB CCI | 共済・福利厚生 |東京商工会議所
https://www.tokyo-cci.or.jp/clubcci/

4.福利厚生企業の個人向けサービス

大手福利厚生企業のベネフィットワンやリロクラブは、実は個人でも利用する方法があります。ベネフィットワンは、個人でも月額324円から入会可能です。※1
リロクラブの場合は、直接加入することはできませんが、リロクラブの提携先への登録で利用することができます。例えば、ジャパンネット銀行で口座を開設し10万円以上の残高があれば登録できたり、J:COMやソニー生命などの利用者もリロクラブのサービスを利用できます。
こちらは、クラブオフというサービス名称で展開されており、ランサーズも提携先としてサービスを提供しています。※2※3
基本的には施設の優待やスキルアップなど受講の特典、各種サービスの割引など付帯されていますが、提携企業ごとに優待条件等は異なります。

※1 個人向けベネフィットワン
https://corp.benefit-one.co.jp/service/individual/mor_bsp.html
※2 クラブオフとは? [クラブオフアライアンス(Club Off Aliance)/会員特典・優待サービス]
https://sp.club-off.com/contents/files/bra/common/topics/coa_top/about_coa/index.html
※3 Lancersクラブオフ(Club Off)/会員特典・優待サービス
https://www.club-off.com/lancers/index.cfm

フリーランスのエンジニアでも受けられる福利厚生サービスの4つのパターンをご紹介いたしました。フリーランスになると、会社員のような手厚い福利厚生はありませんが、このようなサービスを活用することで会社員の待遇に近づけることができます。

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この中では唯一賠償責任補償が付帯されている、フリーランス協会のベネフィットプランが一番のおすすめです。
フリーランスのエンジニアのトラブルの多くは、納期や納品物に関するものです。
万が一のトラブルに対応できる福利厚生プランは、このフリーランス協会のベネフィットプランだけです。

現在、エミリーエンジニアでは、登録しているエンジニアの方々の、フリーランス協会のベネフィットプラン年会費を負担しています。
年会費の負担には条件がありますので、ご登録の上、お気軽にお問合せ下さい。

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