「持っているJavaのスキルを活かすためにはどうしたらいいか迷っている」「StrutsやSeaserなどのフレームワークを使ったことがあるけどこれからどうしよう」「フレームワークは何を使えばいいかわからない」そんな悩みを持っている方向けに、今回はSpring frameworkを紹介します。
システム開発には、開発用のフレームワークが用いられていることが主流となっています。なぜならば、開発ステップを少なく、短い時間でリリースでき、改修が容易だからです。そのフレームワークの一つであるSpring frameworkとは何か。どうして紹介するのか。将来性や単価について実際に調べてことについて、紹介していきます。
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Spring frameworkとは
Spring frameworkはDI機能や データベースアクセスの抽象化、AOP(Aspect Oriented Programming) といった便利なプログラミングをサポートしているフレームワークです。特徴の1つとして、Webアプリケーション開発を支えるためのしくみ(リクエストの処理、モデル・ビュー・コントローラの 処理などのライブラリ)も持っており、Webアプリケーション開発のための フレームワークとしても使えます。また、Webアプリケーション以外にも、コンソールアプリケーションや Swingアプリケーションの開発にも使うことができます。
では、そんなSpring frameworkの案件にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
Spring framework 案件の内容とは?
Spring frameworkの案件は、予約受付サービスや仮想通貨取引、ECサイトの構築、AI関係など多岐にわたって幅広い分野で活躍しています。代表的な案件の種類としては、基盤システムの開発またはフレームワーク同士の移行があります。特にStrutsやSeasarからの載せ替え案件が多いです。この背景には、すでに多くの企業で普及しているStrutsにセキュリティ上の問題点があるからです。
StrutsやSeasarからの移行が多い理由
Strutsはバージョン2系の開発がまだ続いていますが、Struts自体にたびたびセキュリティホールが発見されて実際に影響が出ているケースがあります。セキュリティの観点から、StrutsやSeasarは新しいフレームワークへ移行しなくてはなりません。そこでよく選択されるのがSpring Frameworkです。移行方法に関しては何パターンかあり、すべてのシステムを1回で移行するケースや、暫定的にStrutsとSpring frameworkを併用して徐々にSpringに1本化するという段階を踏むケースもあります。
Spring frameworkの新規開発・運用保守案件
案件の内容には、移行以外にも新規開発や機能維持といった案件もあります。案件内容ごとにどれくらいの数があるかを見てみると、他のフレームワークよりも機能維持の案件も多くあります。すでにSpring frameworkを使って業務を行っている企業が多く、既存のシステムを運用保守してほしい要望が多いためです。
Spring framework案件の特徴として、技術だけできる人を求めるというよりは設計から製造/テストといった開発工程を任せられる人材を求めている企業もあります。そのような、案件は数か月にわたってプロジェクトに携わることになります。
Spring framework の将来性はあるのか?
Spring frameworkの将来性についても見ていきましょう。すでに多くの企業が使っていることから、今後も安定した案件は獲得できます。
ただ注意すべき点もあります。StrutsやSeasarからの移行でSpring frameworkが挙げられていると説明しましたが、同じようにSpring frameworkに代わるフレームワークが今後登場し、それによって代わられる可能性が大いにあります。IT業界は変化が激しく新しい技術がどんどん出てくることを考えても、「今後も絶対に残るスキルだからエンジニアとしてSpring frameworkだけ知っていれば大丈夫」とは言いにくいです。ただ今のところでは、移行先として使えるフレームワークが登場しておらず、安定して案件を獲得できるフレームワークと考えてよいでしょう。
Spring frameworkの単価相場は?
Spring frameworkの単価相場についても見ていきましょう。案件によって単価のバラつきはありますが、60万~90万くらいが多いです。もちろん仕事の内容によっては100万近くの案件もあります。Springの単価が高い案件には共通した特徴があります、大規模な改修があるプロジェクトで設計から開発作業を担当するような案件です。担当すればタスクも多く、求められていることも技術のみならずコミュニケーション力が必要になります。
Play frameworkとの比較
Spring以外のJavaフレームワークについて、Springと同じようにStrutsやSeaserから移行対象となっているPlay frameworkの単価相場も見てみましょう。こちらも大体60~90万くらいの案件が多く見受けられます。
ただ、Play frameworkは単純なJava言語ではなく、Scala言語というもので記述されています。Scala言語とJava言語は互いに以下のような関係性を持っています。
- Javaのライブラリのほとんどをシームレスに利用することができる。
- JVM(Java Virtual Machine)上で動作する。
そのため、ScalaはJavaの後継として認知されています。その分、Play frameworkの方がSpring frameworkよりも高いスキルが求められる特徴があります。
Spring frameworkの案件で稼ぐためには?
まずはSpring frameworkの特徴を理解することが必要です。Spring frameworkの機能の特徴を理解していないと、いざ現場で苦労をするのは担当するエンジニアです。特に移行関係のシステムでは、既存のシステムからどのようにSpring frameworkで活かしたほうがいいのかを考える必要があります。Spring frameworkはただ単にコードを書けるエンジニアではなく、Spring frameworkを使うことでスムーズにプロジェクトを進めていけるエンジニアが求められています。そのため、まずはフレームワークが持つ特徴を把握することが必要になります。
加えて、Webアプリケーションの仕組みを理解することも高単価に繋がります。Spring frameworkの案件としては、Webアプリケーションの開発も多く見受けられます。そのため、Spring frameworkはバックエンドの言語ですが、画面を作っている言語(HTMLやJavaScriptなど)の理解、画面で入力されたデータ流れや仕組みを理解しておく必要があります。Webアプリケーションの理解をしているエンジニアは、プロジェクト全体を俯瞰して見られる存在として重宝されます。
まとめ
以上、Spring frameworkについて紹介しました。 Spring frameworkはJava言語のフレームワークとして、現在の市場で活躍しておりこれからの案件受注にもつながりやすいです。案件の種類としても、StrutsやSeaserからの移行、新規案件の受注が多く、今後はそれら案件の内容が機能維持に移行することが見込まれます。今後も案件数は増加していくと考えてよいでしょう。そういった点を考えると、スキルとして持っていることは大きな強みにできるフレームワークです。
ただ、StrutsやSeaserからSpring frameworkへの世代交代が起きたように、どこかで同じようにSpring frameworkから新しいフレームワークに移行するという案件が可能性はあります。そういった場面で求められるのが、新しい技術をどん欲に勉強していく力です。新しく出てくるすべてのフレームワークや言語を覚える必要はないですが、Spring frameworkを基盤としたうえで新しい波についていく意識は捨てないようにしましょう。
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