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ファシリテーションとは?プロジェクトの進行を円滑にする9つのポイント

近年、職種・業種問わず必要とされているファシリテーションスキル。
企業研修として取り入れているところも多く、大手からベンチャーまで様々な企業で必要とされているスキルです。 フリーエンジニアのプロジェクト進行にも役立つファシリテーションのポイントを9つご紹介します。 

ファシリテーションとは? 

ファシリテーションとは、プロジェクトやミーティングが円滑に進むようかじ取りをし、成果の出せる環境をつくりあげるための手法です。 ファシリテーションする人のことをファシリテーターと言い、一言で表すならばミーティングの進行役となる役割です。 ここでの進行役とは、司会をして場を進めていくという意味ではなく、ミーティングの場の議論を活性化し、意見を取りまとめて合意形成へと進めていく役割を意味します。

近年、ダイバーシティ化により今までよりも年齢や国籍・性別など多様なメンバーで組織が構成されるケースも増えてきています。 また、リモートワークの普及により、効果的なコミュニケーションや議論の場の提供が重要視されています。 これらの理由から、ファシリテーションスキルは職種を問わず注目されています。 

ファシリテーションの役割は、主に4つです。
・ミーティングや議論の機会を設定する
・参加者が発言しやすい雰囲気づくりと進行 
・参加者の意見をまとめる
・結論を出す 

この4つの役割を通じて、プロジェクトを成功させることがファシリテーション最大の目的となります。 

経験豊富なフリーエンジニアこそ知っておきたいファシリテーションスキル 

フリーエンジニアの場合、プロジェクトを円滑に進行するためにファシリテーションスキルが役立ちます。 
日々の業務では、個々人の担当する部分の開発などを進めていくかと思いますが、全体の進行の把握や、今後の進め方の確認、ミスや遅延の防止などを目的としてミーティングの場が設定されるプロジェクトが多いかと思います。 その場で、参加者が発言しやすい雰囲気になっていないと、困っていることやわからないことなども言い出しづらくなり、ミスや納期の遅れにつながります。 

また、開発方法や進め方についても、一人で考えるよりもより多くの人数で意見を出し合い考えていく方が最適な方法が見つかりやすいため、ミーティングの場や会話の中で意見を引き出しまとめていくスキルがある人が必要になるのです。 プロジェクトマネージャーや上流工程を担当するメンバーがその役割を担うことが多いですが、ベンチャー企業に多いフラットで比較的若い組織の場合は、職種に関わらず「できる人が進める」流れになることもあるので、経験豊富なフリーエンジニアは知っておくと役立つスキルです。 

ファシリテーションにおける9つのポイント 

ここでは、ファシリテーションを成功させるための9つのポイントをご紹介いたします。 
特別なスキルではないので、意識を向けていれば誰でも取り入れられるものです。 少しずつ実践に取り入れていきましょう。 

積極的に聞く姿勢が重要

ミーティングなどの場の雰囲気をよいものにするためには、ファシリテーター自身が積極的に参加者の意見を聞く姿勢を見せることが重要になります。 積極的に聞く姿勢は、敬意を表し、信頼関係を築き、場の雰囲気を高めることに繋がります。 この時、参加者の発言を聞くだけでなく、表情や声のトーンなど非言語の部分にも注意を向け話を聞くようにするとよいです。 

また、自分自身も積極的に聞く姿勢があるということを非言語も含め表現していきましょう。
・発言者とアイコンタクトをする 
・腕組みや足組みをしない 
・うなずく   

このような非言語表現は、相手に好感をあたえるため、発言しやすい雰囲気をつくることができます。 
エンジニアが集まる会議ではPCを持ち込む場合多いですが、PC画面を見ながら進めるのではなく、必ず参加者とアイコンタクトをして、聞いているということを態度で示しましょう。 

冷静に中立的な立場に立つ

参加者が公平に発言できるよう、ファシリテーターは冷静で中立的な立場を貫く必要があります。 そのためには、まずは自分の判断は抜きにして参加者の意見を聞くことに徹底しましょう。 特定の人の意見を支持するような発言をすると反対意見がでてきませんし、参加者もそれ以上考えることをやめてしまうかもしれません。 
報告の場でも、できていないことやミスを非難する姿勢をとってしまうと、その後同じようにミスをした場合に参加者が言い出しにくくなってしまいます。 

全体を俯瞰するような立場をとり、建設的な話し合いができるよう冷静を心掛けましょう。 また、すべての参加者に発言機会を与えることもとても重要です。 

威圧感を与えないよう注意する

雰囲気よく、全員が発言しやすい場をつくるためには、威圧感を与えてしまわないよう注意が必要です。
特に、参加者と年齢差がある場合には、何もしていなくても威圧感を感じてしまう若手もいますので、言葉遣いや声のトーン、ボディランゲージなどに注意をし、なるべく威圧感を与えないようにしましょう。

早口でまくし立てるよう話すのではなく、丁寧に確認するように話す方が参加者もわかりやすいでしょうし、言葉遣いもあまりかしこまりすぎない方が親近感を持ってもらいやすいです。 腕組みをしたり、椅子にのけぞるように背もたれにもたれかかったりというような姿勢も前向きな雰囲気を阻害しますのでやめましょう。 

考える時間は沈黙を守る

発言後は沈黙の時間を取るようにしましょう。 ファシリテーターとして進行役になると、沈黙に耐え切れず自分から発言してしまうこともあるかもしれません。 しかし、参加者がそれぞれ集中して考えている時間ですし、沈黙の後は参加者の意見がでやすくなります。 

ファシリテーターがあれこれ話をしてしまうと、集中力が切れてしまうだけでなく、思考がファシリテーターの発言に引っ張られてしまい公平に議論が進まないことも考えられます。 しばらくまっても誰も発言しないときは、誰かに質問をしてみたり、言い換えやそこまでの振り返りをしてみるなども有効です。 

言うのではなく書く方法でもOK

発言するのが得意ではない参加者がいたり、多くのアイデアが出て収束できないことが予想される場合などは、書いてもらうのも有効です。 報告を基に進められるミーティングでしたら、事前に報告内容を書いて共有してもらうほうがスムーズにミーティングを進めることができますし、考える時間があるので発言者も冷静に洗い出すことができるはずです。 
アイデア出しの場でも、その場で時間を決めて紙に書くスタイルの方が、より多くのアイデアを引き出すことができます。 書くことで、ファシリテーターも、その後のまとめもしやすくなります。 

わかりやすく言い換える

発言を、ファシリテーターがわかりやすい言葉に言い換えて伝えるようにしましょう。 わかりやすく言い換えて言葉にすることで、発言者自身が自分の発言を再確認することができますし、参加者の認識を合わせることにも役立ちます。 
ファシリテーターの認識が間違っていないかの確認にもなります。 ここでも、中立的な立場を崩さないよう、発言内容を言い換えるだけにとどめましょう。 ファシリテーターの考えを補足するような言い換えになってしまわないよう注意が必要です。 

相槌や沈黙を使い、発言を深堀りする

発言内容を正しく確認できたら、深堀りをしていきます。 なぜそうなったのか、なぜそう思うのか、具体的にはどういうことか、などというように発言者に聞いていくのもよいですし、発言者が自分から話すようであれば相槌をうったり沈黙の時間をとったりして話しやすい雰囲気づくりをしましょう。 報告の場でミスや遅れが報告された場合、そうなった理由や経緯を「なぜ」「どうして」と聞くと追い詰められていると感じてしまう参加者もいるかもしれません。

問い詰めるような言い方にならないよう注意をし、「根本的な問題を解決するための前向きな質問である」ということを説明し、建設的に話し合えるよう進行しましょう。 建設的に話し合うためには、口頭で話し合うだけでなく、紙に書いて可視化し、それを図式化してまとめていくというような手法も効果的です。 

参加者全員で目的を再確認する

議論が進むと目的を見失ってしまったり、意見が乱立して混乱しているだけになることもあります。参加者全員が目的を再度理解することで、目的達成に向けた話し合いに戻ることができます。 

例えば、ミスを防ぐための議論であれば、チームとして二度と同じミスが起きないために何をすればよいかを話し合う場にしなければなりません。 組織としてミスを防ぐことが目的だということを理解していれば、個人的にミスを減らすための方法を話し合うのではなく、組織としてできることを話し合う場にすることができます。 
ミスをした個人を非難しても、ミスを恐れて効率が下がってしまったり、ミスをしたときに報告しづらいチームの雰囲気になってしまいます。 ファシリテーション次第で、建設的に根本的な課題解決に繋がります。
 

自分だけでまとめなくてもOK

議論の終盤になると、ファシリテーターはまとめに入ります。 しかし、自分だけで収束できないと感じる場合は、参加者に意見を求めてもよいでしょう。 

また、書いて議論を進めていれば、マトリクスなど図式化して参加者みんなで建設的にまとめていくこともできます。 まとめなければと思うあまり、自分の判断が入ってしまうこともあります。 
参加者と認識をすり合わせるためにもみんなでまとめをすることで、その後のアクションもスムーズに進めることができます。 

まとめ 

今回は、ファシリテーションについてご紹介いたしました。 フリーエンジニアの場合、従来、プロジェクトマネージャーや上流工程として参画する場合には必要とされるケースが多いものです。 しかし、最近ではベンチャー企業の案件を中心に若手エンジニアと仕事をする現場も多く、経験豊富なフリーエンジニアはファシリテーター的な役割を担わなければならなくなるケースもあります。 ファシリテーションは、意識次第で身につけられるスキルです。 ファシリテーターとして場数を踏むことで鍛えられていくものです。 ご紹介した9つのポイントが、実践の参考になれば幸いです。 ファシリテーションスキルを必要とする案件に参画してみたいというフリーエンジニアの方々は、専門のエージェントに相談をしてみることをおすすめします。 

技術的な開発スキルなどは案件概要に記載されていますが、参画する際のポジションやメンバー構成などにも左右されるため、直接エージェントに確認をしてみてください。 また、ファシリテーターとして活躍できる立場や案件を経験したいと伝えておけば、該当する案件が発生した時に連絡がもらえたり、案件を交渉してもらえる場合もあります。 

エミリーエンジニアでは、クライアント側とエンジニア側を1人の担当者が一気通貫で担当しています。 スキルや就業条件以外にも、将来を見据えた希望などを伝えておくことで、案件を探してきてもらえる場合もあります。 

気になる方は、ご登録の上、お気軽にご相談ください。

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