フリーランスとして独立すると、会社員時代よりも知らない方とコミュニケーションをとる機会が増えます。フリーランスエンジニアとして上流工程に関わる場合は取引先へのプレゼンテーション能力や調整能力も必要になりますし、アジャイル開発の現場に常駐することになるとチーム内コミュニケーションが開発の進捗に関わることもあるでしょう。フリーエンジニアが身につけておきたいコミュニケーションスキルについてご紹介します。
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エンジニアに必要なコミュニケーションスキルとは
コミュニケーションスキルとは、相手との意思疎通を円滑に行うためのスキルです。意思疎通は、双方向に伝え、考え、理解していくこと。相手のことを理解し、自分のことを分かってもらい理解してもらうことがコミュニケーションの基本です。
しかし、ビジネスにおいては、コミュニケーションスキルと一言でいっても、いくつものスキルが含まれています。
(ビジネスにおけるコミュニケーションスキルの例)
- 初めての人とも話が弾む
- チームメンバーと円滑なコミュニケーションが取れる
- 相手にわかりやすく説明できる
- 会議などで発言できる
- 会議などを円滑に進められる
- 相手の意図を汲み取れる
- 相手の意見に耳を傾けられる
- 交渉事をうまくまとめられる
- プレゼンテーションが上手 等々
このようなコミュニケーションスキルのすべてをマスターしている人はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。エンジニアの中でも、職種によって必要なスキルは異なりますので、自分の業務や将来像に照らし合わせて必要なコミュニケーションスキルを伸ばしていきましょう。
PMなど上流工程を担当するエンジニアの場合
上流工程を担当する場合は、プレゼン能力やファシリテート力、チームマネジメント力など、比較的多くのコミュニケ―ションスキルが必要とされます。基本的なコミュニケーションテクニックを押さえておけば、経験を積むことでコミュニケーションスキルも向上していくと言われています。
プログラマの場合
プログラマの場合は、チームメンバーと円滑にコミュニケーションできる力や、相手の話を聞く力、相手の意図を汲み取る力を意識すると業務に役立ちます。忙しい現場では、わからないことや迷ったときに聞きづらいということもあるかもしれませんが、わからないことをその時に正しく聞ける力もコミュニケーション能力です。チャットツールなどを導入している現場では、それらを通じてでもよいので、こまめにコミュニケーションをとるよう心掛けましょう。
アジャイル開発の場合
近年、アジャイル開発の現場が増えています。従来のウォーターフォール開発では要件が確定して開発に入りますが、アジャイル開発では短いスプリントでのリリースを繰り返しながら完成を目指します。各自の役割を明確にしたうえでチームでリリースを目指すため、チーム内のコミュニケーションが重要視されるのが特徴です。
個人としては、質問できる、ミスを報告できる、フィードバックを素直に受け取り、次に生かすというような姿勢で臨むことが大切になりますし、チームとしてはチーム内の雰囲気も重要視されます。チーム内がよい雰囲気で効率よく業務を進められるようなソフトスキルが求められています。
フリーエンジニアに必要なコミュニケーションスキルを伸ばす7つのコツ
では、フリーランスエンジニアが職場で円滑な人間関係を築き、信頼を得ていくために、コミュニケーションスキルを向上させていく方法を7つご紹介します。どれも少し意識をするだけで、コミュニケーションスキルの向上につながります。
理解するために聞く
コミュニケーションの基本は、相手の話を聞くことです。「傾聴」とも呼ばれますが、相手のことを深く理解するための聞く姿勢や心がけが大切だと言われています。
「聞く」スキルを伸ばす3つのコツを紹介します。
①真剣に目を見て聞く
業務中、作業をしながらなんとなく聞いているという経験、ありませんか?それでは相手には不信感を与えてしまっているかもしれません。コミュニケーションスキル向上のためには、相手の目を見て、話しを真剣に聞くようにしましょう。作業の手をとめるのが難しい場合には、切りの良いところまで待ってもらいましょう。
②うなずいたり相槌をうつなどして、興味関心を示す
相手のことを深く理解するということは、相手の話に興味を持つということです。適度なうなずきや相槌は、興味関心を持っていることを相手に伝える1つの方法です。過度に取り入れると、気が散ってしまったり不自然で大げさだと思われてしまいます。相手の話しが一区切りついたら1度うなずく、というように適度に取り入れてみてください。
③聞いた内容をオウム返しする
相手の発言を、そのまま質問形式にしてオウム返しすることもテクニックとして有効です。オウム返しをすることで、相手に聞いている姿勢を示すことができ、伝わっているという安心感を与えますし、相手の理解も深まります。
打ち合わせなどで、「今週中にここまでやっておいて」と言われた場合、「わかりました」と返すだけでなく「ここまでですね。わかりました。」といったかたちです。言葉にすることで、自分も相手も「ここまで」を再認識し、認識のずれを減らすことにもつながります。「聞く」ことは受動的にも可能なため、一見簡単に思われがちです。しかし、少し意識を変えることで今まで以上にコミュニケーションを円滑に進めることができるようになります。
伝わるように話をする
聞くことができたら、次は自分が伝える側になった場合を考えましょう。「相手に伝わるように」話をする際に意識するポイントは3つです。
④わかりやすい言葉を選ぶ
当たり前ですが、わかりやすい言葉を選ぶことはとても重要です。エンジニア間では通用する言葉も、それ以外の職種の方には全くわからない場合もあるでしょうし、エンジニア間でも現場が違えば通じないこともあるかもしれません。はじめのうちは特に、専門用語や俗語は、できるかぎりわかりやすい言葉に変えるように意識して話をしてみてください。
⑤伝わっているか相手の反応をみる
わかりやすい言葉を選んだつもりでも、伝わっているのかどうかはわかりません。その場合は、相手の反応を見ながら話を進めます。相手が理解できなければ「伝わった」ことにはなりません。話しながら、伝わっているか相手の顔を見て反応を確認しましょう。伝わっていないと感じたら、「伝わっていますか?」と丁寧に聞いてみてもよいでしょう。
⑥非言語コミュニケーションを取り入れる
コミュニケーションで伝達できる情報において、約9割が非言語コミュニケーションによるものだという研究結果(メリビアンの法則)があるように、実は非言語で伝えられることの方が多いのです。相手に伝える際にも、身振り手振りはもちろん、相手との距離や話すスピード、話し方も少し意識してみると相手に伝わりやすい話し方になるはずです。腕組みをして難しい顔をしながら伝えるよりも、姿勢を正し笑顔で前向きな姿勢で伝えたほうが好意的に伝わるということは、だれでも経験したことがあるのではないでしょうか。
一方的に「話す」のではなく、「伝わる」話し方を心掛けることで、双方向のコミュニケーションが成立します。チームメイトとの雑談でも、打ち合わせの場でも使えるテクニックですので、まずは自分の伝え方を意識してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
話す以外のコミュニケーションも丁寧に
常駐先によっては、社内チャットやSNSなどのツールでのコミュニケーションが基本となっている企業もあるかもしれません。そのような場合は、先の非言語コミュニケーションがとりづらくなります。
⑦面と向かって話をする以上に、表現や内容に気を遣う
丁寧で柔らかい言葉を選んだり、顔文字などを使うことで感情を表現するのもおすすめです。言葉だけではどうしても強い表現になってしまう場合もあります。そう感じたら、「強い言い方になってしまいました」と素直に伝え感情を伝えるのもよいでしょう。
日常的なコミュニケーションがオンラインの場合は、定期的にオフラインで面と向かって話をする機会を設けるようにすると、オンライン上のコミュニケーションも円滑になる場合が多いです。丁寧なコミュニケーションを心掛けるだけでコミュニケーションスキルが向上し、業務効率も上げられることを理解し、意識していきましょう。
まとめ
エンジニアがコミュニケーションスキルを向上させるための簡単なコツをご紹介いたしました。意識するだけでも変わるはずですので、できるところから業務に取り入れてみてはいかがでしょうか。エンジニアにとって、コミュニケーションは業務の効率化にもつながります。
また、フリーランスエンジニアにとっては、クライアントとのコミュニケーションは営業活動にもつながります。コミュニケーションを円滑に行うことで、信頼関係に繋がり、案件に繋がります。コミュニケーションが苦手という方もいらっしゃるかもしれませんが、ご紹介したテクニックを意識するところから始めてみてはいかがでしょうか。