アグリテック(AgriTech)は、今後の成長が期待される業界のうちの1つです。大手企業やスタートアップ企業が異業種から次々に参入し、内閣府や農林水産省など政府の後押しによって、今後のさらなる技術確認や新しいサービス・ソリューションの開発・普及への期待が高まっています。
今回はアグリテック(AgriTech)業界での技術動向を踏まえながら、エンジニアの求人動向や求められるスキル、案件の選び方について解説します。
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アグリテック(AgriTech)業界の動向と企業の求人動向
アグリテック(AgriTech)業界は、大手企業やスタートアップの参入が続いています。さらに、内閣府や農林水産省が旗振り役となり、アグリテック(AgriTech)の開発や社会実装が急速に進むなど、今後の成長が期待されている業界です。
矢野経済研究所によれば、2017年度には128億9,000万円だった、スマート農業の市場規模は、2024年には387億円まで成長すると報告されています。※1 このような市場の拡大に伴い、アグリテック(AgriTech)業界のエンジニア求人件数は、今後増加していくことが予測できます。
今後は、市場の成長とともにより高度な先端技術が必要とされるため、経験豊富な高度エンジニア不足が懸念されています。先端技術のスキルを持ったエンジニアは、重宝されることは間違いありません。農業に興味があり、自分の技術を社会課題の解決に役立てたい、という想いがある方は、アグリテック(AgriTech)業界の求人や案件の動向を、定期的にチェックしてみることをおすすめします。
※1 2018年版 スマート農業の現状と将来展望 ~省力化・高品質生産を実現する農業IoT・精密農業・農業ロボットの方向性/株式会社矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2026
アグリテック(AgriTech)企業を選ぶ際に確認したい事
今後の事業展開
アグリテック(AgriTech)の業界は、成長市場のうちの一つです。 しかし、現時点で事業が軌道に乗っているサービスは数少ないのではないでしょうか。
自分が携わる事業は、今後どのような計画のもと開発が進められていくのか、もし予定通りの規模に達しなかった場合はどうなるのか、など事前に確認しておいた方が、自分のキャリアプランにもつなげやすいでしょう。先端技術へのチャレンジや社会的な課題の解決など、エンジニアにとって魅力的な案件も出てきていますが、中長期的な事業展開はエージェントを通じてでも確認しておく方が安心できるはずです。
企業の文化
現段階のプレイヤーとしてはスタートアップ企業も多いため、企業規模が小さく安定した開発現場とは言い難い場合もあります。大手企業であっても少数精鋭の組織であることも多く、自分の発想力や技術力が試されることもあるでしょう。
アグリテック(AgriTech)は、成長市場であるからこそ市場環境も複雑で、次々と出てくる新しい技術に対応していかなければなりません。不確実な環境の中で柔軟に対応していくことに魅力を感じる方は、スタートアップやベンチャー企業がおすすめです。小さい組織で幅広く経験を積むか、自分の専門性を磨きプロフェッショナルな開発者となるか、今後のキャリアプランと照らし合わせて案件を選びましょう。
ワークスタイル
無理のない働き方ができるか、働く環境が整備されているかも重要な企業選びのポイントではないでしょうか。決められた就業時間、決められた場所で、決められた開発内容に携わるというような安定した環境で働くことを重視したい方は、大規模なプロジェクトを中心に案件探しをする方がよいかもしれません。
市場自体が新しく業界経験者が少ないため、異業種からにチャレンジしている人も多い業界です。チームメンバーのバッググラウンドによって現場の風土や企業文化も異なりますので、案件探しの際にエージェントに確認をしてみてくださいね。
アグリテック(AgriTech)で働くエンジニアに求められるスキルとは
サービスにより、求められる開発スキルは多様
アグリテック(AgriTech)業界で、今後特に活用が期待される技術がこちらです。
- IoTの活用
- AIの活用
- GPSの活用
- センシング技術の活用
- ロボット技術の活用
先端技術の導入に積極的な業界ではありますが、提供するサービス・ソリューションにより求められるスキルは多様です。
AgriTech X IoT
例えば、主に生産予測システムや・販売管理システムなどで活用されるIoTであれば、C言語やC++、Javaなどのプログラミングスキルが必要です。他にも、Pythonなどを使った複雑なデータ分析などの知識、その他にもネットワークやセキュリティに関する知識があると有利でしょう。
AgriTech X AI
生産予測システムや・販売管理システムで役立てられることが多いAIに関するスキルとしては、現場開発者であればPythonでの開発経験が基本となります。ただしプロジェクトマネージャーレベルの案件になれば、ビッグデータへの理解や統計スキルの知見が求められるでしょう。
AgriTech X センシング技術
精密農業システムや農業用ロボットに活用されるセンシング技術なら、C言語やC++などのプログラミングスキルが基本となります。また、基本的なプログラミングスキルだけでなく、ディープランニングへの知識、画像認識および処理に関する開発経験があると有利です。
ベンチャーマインドも重要な条件
アグリテック(AgriTech)業界は、自分たちの発想や技術によって、新しいサービス・ソリューションを生み出したり、改善していったりというベンチャーマインドなくしては、働きにくい業界と言えます。
大手企業の参入も目立つ分野ではありますが、多くの大手企業において、アグリテック(AgriTech)事業は、様々な事業の中の新規事業の一つです。現状、農機メーカーのクボタ、食品メーカーのタカラバイオ、ITベンダーの富士通など、様々な大手企業が参入しています。 さらに、レグミンやアグリホールディングスなど注目を集めているスタートアップ企業も多く、企業規模に関わらずチャレンジ精神が必要とされます。
また、従来の農業が抱える様々な課題を、新しい発想で解決しようとする過程には、未知のことにも挑戦できる課題解決力や、シナリオ通りには進めない物事に対して粘り強く取り組めるタフさが必要です。今後の技術革新のスピードも早く、業界や企業のスピード感についていける貪欲さも求められます。
農業に対する理解
アグリテック(AgriTech)業界は、農業従事者の高齢化が進み、ITに対するリテラシーが低い顧客を対象としてサービスを考えなければならないことも多いものです。これまで人の勘や経験に頼ってきたノウハウを、いかにデータ化し活用するかが一つの大きな課題です。
また、農作物が作られ、収穫・販売されるまでの工程など、農業の現場の知識がなければ、社会に役立つサービス設計は難しいかもしれません。農業の現場について理解を深め、従来の農業の課題を当事者の立場にたって、共に解決しようとする姿勢が求められるでしょう。
社会課題への興味関心
テクノロジー化による課題解決は、国内の食料自給率の向上や農村の存続などの国の課題解決にも貢献するものです。農業業界や農業従事者にとってだけではなく、社会に対しても大きな意味を持ちます。
「日本の農業をもっと盛り上げたい」「農村の過疎化などの社会課題の解決に役立ちたい」など、自分の技術でより良い社会を作っていきたい、という熱意を持ち、粘り強さを持って取り組める方には、働きがいを感じられる業界といえるでしょう。
まとめ
今回は、アグリテック(AgriTech)業界の動向や、技術動向を踏まえながら、必要とされるスキルや企業選びについてご紹介しました。
アグリテック(AgriTech)業界は、最先端技術の導入に積極的で、マーケットニーズに応え、これからの技術革新や新しいサービス・ソリューション開発にも期待ができる業界です。エンジニアとしては、自分の経験や技術を試すのに絶好の環境といえるでしょう。
新しい発想や自分の技術力を活かし、新しいサービス・ソリューションを生み出したいというベンチャーマインドを持った方、自分の技術を人や社会の役に立てたいという熱意のある方には、おすすめしたい業界です。
案件を探す際には、自分の今のスキルとマッチするかという観点に加えて、今後のキャリアプランと照らし合わせ、検討することをおすすめします。成長市場とはいえ、まだまだ事業として安定した収益を得られている所は限られています。不確定要素も多い中で、自分の将来のキャリアにつながるスキルをどのように身につけるか、案件を探す際に今一度考えてみるのもおすすめです。
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