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スポーツテック(SportsTech)業界とは?市場規模や企業動向を解説

スポーツテック(SportsTech)は、金融業界のFintech(フィンテック)や教育業界のEdTech(エドテック)と並び、ITによって新たな付加価値を創出する市場のひとつとして注目されています。

スポーツテック(SportsTech)業界の特徴や、どんな企業が活躍しているのか、また今後の市場動向もふまえスポーツテック(SportsTech)企業で働くためにはどういったスキルが必要か、についてご紹介します。

スポーツテック(SportsTech)とは?

スポーツテック(SportsTech)とは、スポーツ(Sports)テクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、IoTや人工知能(AI)・ビッグデータなどのITを活用し、スポーツの領域において新しいソリューションを提供する企業を表しています。
2020年の東京オリンピックに向けて注目が集まっています。
日本再興戦略の重要な柱としても位置づけられています。

スポーツテック(SportsTech)では、プロスポーツのみに限らず、

  • スポーツコンテンツの配信
  • 競技場・アリーナの運営支援
  • プレイヤーの支援
  • ファン活動の支援
  • 新しいスポーツ分野の創出(eスポーツなど)

のようなビジネスが生まれています。

スポーツテック(SportsTech)業界が注目される背景

既に、北米・欧州では巨大なスポーツビジネスのマーケットが形成されていますが、日本においては、ビジネスとしてのスポーツ産業は後れを取っていると言わざるを得ません。
日本では、スポーツ施策は教育施策の一環として捉えられてきた結果、ビジネスとしてのスポーツ振興支援やテクノロジーの導入が、他国に比べ遅れていると言われています。

そのような状況下で、2020年の東京オリンピック開催が決定
これを機に、日本でもスポーツビジネスの注目度が高まり、政府も国の成長戦略の一環として重要な産業と位置付けています。
スポーツ庁が旗振り役となり、経済産業省・文化庁・地方自治体等と連携し、業界の整備が進められています。
結果、IT企業を中心とした多くの企業がスポーツビジネスに参入しています。

参考:
日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて-/平成 28 年6月2日/首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/2016_zentaihombun.pdf
スポーツ産業の活性化に向けて/平成28年4⽉13⽇/スポーツ庁 経済産業省
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/jjkaigou/dai44/siryou7.pdf

スポーツテック(SportsTech)業界の市場規模と将来性

スポーツ庁の報告によると、国内のスポーツ市場は、2012年に5.5兆円、2020年には10.9兆円まで成長しています。今後2025年までに15.2兆円規模を目指し、拡大を続けているとされています。
スポーツビジネスの市場規模の内訳をみると、スタジアム関連が最も多く現状2.1兆円、次いでスポーツ用品、観光などの周辺産業が続きます。
「IoT活用(施設、サービスのIT化進展とIoT導入)」を見ると、現状では市場は0に近いほど小さいものの2025年に1.1兆円の市場規模となると試算されています。
スポーツテック(SportsTech)の市場規模は、スポーツ市場全体の成長と共にさらに拡大していくことが見込まれます。

参考:平成29年度「スポーツ産業の成長促進事業 ③スポーツ関連新事業創出支援事業」報告書/スポーツ庁
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/30/05/1405699.htm

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スポーツテック(SportsTech)業界の企業動向

スポーツテック(SportsTech)には、多様な企業や団体が参入しています。

  • プロスポーツリーグやスポーツチーム(Jリーグや楽天、DeNAなど)
  • 民間企業による新会社や新規事業の立ち上げ
  • 地方自治体
  • スタートアップ企業

というように、自治体から、大手企業、スタートアップまで様々な規模、様々なバックグラウンドを持つ企業が参入しています。

プロスポーツのスポンサード契約

プロスポーツに関しては、楽天、DeNA、ソフトバンク、mixi、メルカリなどの大手IT企業のスポンサード契約が目立ちます。

民間企業による新会社や新規事業の立ち上げ

民間企業によるスポーツ関連の新会社の設立も相次いでいます。
博報堂のスポーツテクノロジーの開発・研究関連の新会社設立や、LINEとアミューズやバンダイナムコなどによる新会社の設立は話題となりました。
電通は、スポーツテック(SportsTech)に関連するスタートアップを支援するプログラムを立ち上げ、業界への参入をサポートするなど、スポーツ業界に限らず、様々な異業種からの新規参入が進んでいます。

地方自治体

スポーツ産業の力を地方創生に役立てようと、横浜市や宮崎県、秋田県などの地方自治体がプレイヤーとしてスポーツテック(SportsTech)業界を盛り上げていいます。

スタートアップ企業の台頭

スタートアップ企業も続々と登場しています。
スポーツチームやアスリートを資金面で応援するサポーターサービスを提供している株式会社ventus、スポーツエンターテイメントアプリを提供する株式会社ookami、スポーツスキル動画を提供する株式会社spornia、アマチュアスポーツチームの管理ツールを提供する株式会社Link Sportsなどが注目を集めています。
今後もテクノロジーを活用した新しいサービスが、次々と登場するのではないでしょうか。

スポーツテック(SportsTech)で実現するスポーツ関連サービスの種類

NTTデータ経営研究所が作成した「Sports-Tech Landscape」2019によると、スポーツテック(SportsTech)業界は以下の4つの分野に分類されます。

  • スポーツを観る
  • スポーツを支える
  • プレイする
  • 新しい価値を創る

スポーツを「観る」

主に

  • スポーツ関連コンテンツの製作や配信
  • チームやプレイヤーと、ファンとのコミュニケーションサービス
  • 観戦体験の向上のためのITソリューション

のようなテクノロジーサービスが展開されています。

テクノロジー化により、スポーツ観戦のエンターテイメント性が高まり、付加価値の高い観戦体験を生み出します。その結果、スポーツそのもの、チーム、プレイヤーとの距離が縮まり、より濃密なファン体験を生み出すことで、スポーツビジネスの収益化や事業化につながり、スポーツビジネスのさらなる拡大が期待されています。

スポーツチームやアスリートを「支える」

  • チーム、スポーツ関連施設、競技・試合の管理
  • チーム、スポーツ関連施設、競技・試合の効率化
  • チーム、スポーツ関連施設、競技・試合のデータ分析やITソリューションの提供

チームや施設の運営にテクノロジーを活用するものです。
ビッグデータの解析なども含まれます。
これらのサービスにより、運営側のコストの削減やファンの利便性の向上が期待されています。

プレイ「する」

  • スポーツのプレイ体験
  • 効率的なトレーニング
  • スポーツやトレーニングを手軽にする

このように、スポーツやトレーニングを、スマホやアプリ、IoT技術などを活用して提供するサービスが増えています。
競技としてスポーツだけでなく、「健康管理をしたい」などのユーザーニーズにも応えるサービスで、より多くの人が気軽にスポーツを体験できる機会の創出につながっています。

新しい価値を創り出す

VRやARなどによる身体拡張技術を用いて、従来のスポーツとは全く異なる、新しい価値を持った競技を生み出している企業も登場しています。
VRやARなどにより、エンターテイメント性が高いスポーツ体験が可能となります。
さらに、実際の身体能力や年齢・障害の有無などに関係なくスポーツを楽しむことができるため、多くの可能性を秘めています。

参考:「Sports-Tech Landscape」2019の公表/株式会社NTTデータ経営研究所
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/052200/

スポーツテック(SportsTech)業界で働くには?エンジニアの需要は?

様々な分野の企業からの新規参入が多く、盛り上がりを見せるスポーツテック(SportsTech)業界。エンジニアフリーランス案件の需要が伸びることは間違いありません。
現状、スポーツ業界経験のあるエンジニアは少なく、現段階から参画しておくことで、市場拡大に伴い仕事の選択肢を広げられる可能性が高いです。
さらに、スポーツテック業界でニーズのあるAR・VRに関する技術、ビッグデータ解析に関する技術などを持ち合わせたエンジニアは少なく、未経験であっても最先端技術にチャレンジできる機会もあるかもしれません。
スポーツ経験がある、スポーツ観戦が好きというエンジニアは、業界知識があるため即活躍できるのではないでしょうか。

スポーツテック(SportsTech)はこれから成長が見込まれる業界です。
いずれのサービス・プロダクトも、これからのサービス展開が、今後の事業成長を左右する可能性も高い状況です。
「新しい発想と技術で、新しいサービスを自らの手で生み出したい」という熱意が持てる方は、より働きがいを感じやすい業界です。
市場規模の拡大は見込まれていますが、スタートアップをはじめとした多くのスポーツテック企業は、事業収益としてはまだまだ「安定」という域には達していないのが現状です。
安定した環境で働きたいという方は、自治体や大手企業のスポーツ関連部署を選びましょう。

インタビュー 岡村さん
岡村さん(36歳)
メインスキル PHP, Swift, Objective-C, Unityなど
フリーランス歴 2年目

利用者の声
実務未経験の分野でも、最高の案件を見つけてくれた

自分では使ったことあるけど、実務経験としてはやっていないAR/VRやSwift案件を希望したのですが、他のエージェントさんですと「実務経験が無いものは無理です」という雰囲気がアリアリと出ていてあまり真剣に聞いてくれず、流されていたんです。
そういう体験が複数の会社であったので、【エミリーエンジニア】では真剣に要望を聞いてくださったのが印象的でした。おかげさまで、私の希望にマッチするAR/VRの案件やSwift案件を探して提案してくださったことには感謝しております。

インタビューの続きはこちら

まとめ

スポーツテック(SportTech)の動向と概要についてご紹介しました。
スポーツテック(SportTech)は、大手ITベンチャースタートアップ企業地方自治体など多彩な企業が参入しています。
企業により、規模や組織風土・働き方は様々です。
スポーツテック(SportTech)の案件を探す場合には、スキル要件だけでなく今後のキャリアアップに繋がるか、自身が求める働き方ができるか、などよく検討しましょう。
企業の動向を知るには、エージェントの活用も便利です。

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