近年、金融業界のFintech(フィンテック)や農業のAgritech(アグリテック)などと並び、注目を集めているのが「EdTech(エドテック)」です。 2020年度から小学校のプログラミング教育がスタートすることや、教育現場でのタブレット学習の普及率のアップなど、近年、急速に市場が拡大している業界です。
EdTech(エドテック)とはどのような技術・企業を指すのか、また市場規模は今後どのように拡大していくのか、EdTech(エドテック)企業で働くためのスキルまでご紹介いたします。
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EdTech（エドテック）とは？
EdTech(エドテック)とは、教育を表すEducationとテクノロジー（Technology）を組み合わせた造語です。 近年、プログラミング教育やタブレット学習が注目を集める中で、多くのEdTech(エドテック)を提供するサービスが登場しています。 WEB上でのオンライン学習だけでなく、タブレットでの教材提供、学習の進捗管理、教育機関向けの管理ツール、VRを使った体験学習など、最新技術を活用した幅広いサービスが展開されています。
EdTech（エドテック）業界が注目される背景
EdTech(エドテック)は、FinTech（フィンテック）と合わせてテクノロジー化が注目を集めている業界です。 日本の教育業界は、もともとテクノロジーの導入が遅れており、プログラミング教育などのICT機器を活用した授業も海外に比べ遅れをとっていました。 しかし、2020年からの新学習指導要領では、小学校でのプログラミング教育がスタートすることが決まっています。 また、文部科学省は、1人1台の割合で学校にタブレット配置することを目標にICT教育を推進しており、学校を始めとする教育現場で急速にIT化が進んでいます。
さらに、学校のIT化に先行する形で、家庭学習もITサービスが盛んです。 タブレット教材やオンライン学習の講座に参入する企業が増え、習い事としてプログラミング教育が注目されるなど、スマホやタブレットの普及に合わせ、勉強へのIT活用が進んでいます。
EdTech（エドテック）業界の市場規模と将来性
このように、教育業界は急速にIT化が進んでいますが、今後の市場規模もさらに伸びることが予想されています。 日本のEdTech（エドテック）の市場規模は、2020年には2400億円を超えると予想されています。 2015年の1640億円から、5年で1.5倍の成長を遂げています。
EdTech（エドテック）業界へは、スタートアップ企業から老舗の教育関連企業まで、幅広い企業が参入しており、今後もさらに増加することが見込まれます。 リクルートやベネッセなどのような今まで教育関連事業を展開していた企業のエドテック参入だけでなく、大手ベンチャー企業も続々と参入しています。
DeNAのプログラミング事業への参入、DMM.comのオンライン英会話事業への参入、オンラインプログラミング教育のコードキャンプを大手IT企業のフューチャーが子会社化するなど、様々な規模の企業が参入を果たしています。
参考：「未来の教室」とEdTech研究会事務局説明資料／経済産業省
EdTech（エドテック）業界のサービスジャンル
EdTech（エドテック）業界は、学習自体を支援するサービスと、教育者や教育現場の環境を改善するサービスの大きく2パターンに分けられます。 それぞれの特長と、体表的なサービスをご紹介します。
学習支援
学びたい人の学習を支援するサービスは、昔から馴染みのあるイーラーニングなども含まれます。近年では、家庭学習向けに、オンラインで学ぶ学習サービスや、タブレットを活用した教材を提供するサービスがあります。
オンライン学習
オンラインの学習サービスには、子供向け、社会人向け、語学学習、プログラミング学習などがあります。
リクルートが運営する「スタディサプリ」のように授業の様子を動画で配信するサービスや、オンライン英会話に代表されるビデオチャットを活用した学習サービス、プログラミング学習のようにオンラインの課題添削とビデオチャットが組み合わせられているものと、サービスごとに使用するWEB技術は様々です。
タブレット教材・アプリ教材
ジャストシステムが提供する「スマイルゼミ」やベネッセの「進研ゼミ」は、従来の通信教材をタブレットに置き換えた子供向けのタブレット教材を展開しています。
タブレット教材は、自動採点や、間違えた問題を繰り返し出題する、学習者の理解度に合わせて出題を調整するなど、人工知能（AI）も活用した高度な技術が使われています。
アプリ教材は、大人向けにも子供向けにも多くのジャンルのものが配信されており、語学や資格取得の学習用などから、運転免許の問題集のようなものまであります。
アプリ開発に関する技術だけでなく、人工知能（AI）を活用するなど先端技術も導入されているものも増えています。
教育現場の支援
EdTech（エドテック）は、学習を直接支援するものだけではありません。
教育現場の改善や先生たちの労働環境の改善、学校と仮定とのコミュニケーションなどにもテクノロジー技術が活用されています。
授業分析
授業中の様子を撮影し、先生の発言量や動き、生徒一人一人の発言量などを可視化するような授業分析ツールを開発している企業もあります。
先生の授業改善になるだけでなく、子ども同士の人間関係の可視化にもつながる取り組みで、地方自治体と連携して試験的な取り組みが進められています。
教員のサポートサービス
教員をサポートするツールとして、専用SNSや黒板にデジタル資料を投影できるなど黒板活用用アプリも登場しています。
専用SNSでは、情報交換だけでなく他の先生の指導計画や板書を見ることができる機能も実装されています。
黒板用アプリでは、黒板に書くだけでなく、準備したデジタル資料をスマホを使って簡単に投影する機能やカメラ機能を使い生徒の手元を映し出す機能などがあります。
報告・相談サービス
近年、社会的に問題となっている「いじめ」を早期発見するための匿名通報・相談ツールを提供している企業もあります。
教育委員会へ導入している実績や、一般企業への導入実績もあるようです。
このように、EdTech（エドテック）は、人工知能（AI）などの先端技術を活用した学習サポートサービスや、デジタル化が遅れていた教育現場にデジタル技術を取り入れて教育環境を改善していくサービスがあり、使われている技術はサービスごとに様々です。
EdTech（エドテック）特有の技術というものはなく、他の分野で活用されているIT技術を教育に生かす視点がポイントです。
参考：学校教育におけるＩＣＴ、データの活用 平成30年2月21日／文部科学省
EdTech（エドテック）業界で働くには？エンジニアの需要は？
これからも成長が見込まれるEdTech（エドテック）業界。フリーランス案件の需要は、今後も増えることが予想されます。特にエンジニアは不足しており、業界経験のあるエンジニア数は少なく、今この業界で経験を積むことで、今後のキャリアアップに繋がる可能性も高いでしょう。 EdTech（エドテック）業界のエンジニアに必要とされる独自の技術スキルはありません。 PHPやJavaといったWEB開発やサーバサイドのスキル、動画配信系のスキル、アプリ開発のスキルなど、サービスに即したスキルが求められています。
教育業界に関する知識があるエンジニアの方にはおすすめの業界です。 フリーランスエンジニアの報酬を決める要素のひとつに、業界の市場動向があります。勢いがあり、今後も成長が期待される業界には資金も集まりやすく、結果条件が良い案件が多くなる傾向があります。同じスキルを持つエンジニアでも、参画する案件(業界)により他業界の案件よりも条件が良くなる可能性が十分にあります。そういった意味でもEdTech（エドテック）業界は注目しておくべきでしょう。 EdTech（エドテック）では、サービスによってはクライアントが地方自治体や教育機関というケースもあります。ゲームやアプリなどtoC向けサービスのベンチャー企業とは組織風土の違いを感じることもあるかもしれません。
教育機関にエンタープライズ版を提供するようなサービスでは、toB向けの開発とエンドユーザー向けの開発の両方の経験を積むこともできるため、その後のキャリア形成にもプラスになる可能性が高いです。 同じ業界内でも、企業風土や組織風土、社員の働き方は、企業規模や運営サービスにより様々です。 エンジニアが案件を探す場合には、エージェントを通じて、事前にヒアリングしておくとよいでしょう。
EdTech（エドテック）業界に興味のあるフリーエンジニアならば、案件を選ぶ際は、フリーエンジニア専門のエージェントを活用する方が安心です。 エージェントは、案件元の組織風土や働き方を第三者の立場で客観的に判断してアドバイスをもらえる貴重な存在です。 案件の紹介にとどまらず、キャリア相談や面談対策、条件交渉なども依頼をすることができますし、場合によっては興味のある企業に営業をかけてもらう営業代行も可能です。
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