フリーエンジニアとして独立しても、正社員として転職するケースも増えています。 正社員として再就職する場合の仕事の見つけ方や、注意点、転職に伴う手続きの種類まで、詳しく解説します。
Contents
フリーランス、正社員に戻ることはできる?
近年、フリーランスの増加とともに、フリーランスとして独立後に正社員へ戻る方も見られるようになりました。一度フリーランスになったからと言って、正社員に戻れないということはありません。
- 「不安定なフリーランスを卒業したい」
- 「1つのプロジェクトに深く関わりたい」
- 「結婚や出産などのライフステージに合わせ社会的信用を高めたい」
- 「社会保険料や税金が高く、結局手取りが増えていない気がする…」
このような悩みを抱えている方は、正社員への転職を視野に仕事探しを検討する方もいらっしゃいます。正社員・フリーランスの両面から仕事探しをする方が、豊富な選択肢から仕事を探すことができるかもしれません。
企業側も、フリーランスからの転職希望者は採用したくないという意識は少ないものです。特にエンジニアは、前職がフリーランスであろうと社員であろうと、転職の理由さえきちんと伝えられるようにしておけば、あまり問題にはなりません。
フリーエンジニアが正社員に転職するには
フリーエンジニアとして活躍している方が、転職先を探す方法は主に4つです。
- エージェントを活用する
- 常駐先と雇用契約を結ぶ
- 働きたい企業に自分からアプローチ
- 人脈で探す
エージェントを活用する
正社員への転職は、エージェントを活用したほうが情報収集や対策がしやすくなります。
転職専門のエージェントに新たに登録をする場合と、フリーエンジニアとして登録をしているエージェントに相談する2つのパターンがあります。「良い仕事があれば、正社員になりたい」という場合には、正社員・フリーランスどちらの取り扱いもあるエンジニア専門のエージェントに相談する方が選択肢は広がるでしょう。
エージェント経由でプロジェクトに参画している場合には、その取引エージェントに相談できますが、そうでない場合は登録を済ませてあるエージェントが転職も対応可能か確認します。対応可能であれば、キャリア相談をしてみましょう。
フリーランスエンジニア
個別相談会
フリーランスとしての働き方に悩みのある方、これからフリーランスになろうか検討中の方も無料でご相談いただけます。
詳細はこちら
常駐先と雇用契約を結ぶ
フリーエンジニアで準委任の常駐型の仕事に参画している場合に、取引先企業との契約形態を切り替え、正社員として勤務するパターンです。企業側から正社員への転職オファーが出され、検討する場合が多いでしょう。 フリーエンジニアとしての働きぶりを見た上でのオファーで、企業側に仕事を評価してもらえていますし、フリーエンジニア自身も既に現場を理解しているので、正社員として転職しても円滑に業務に取り組めます。また、条件の交渉などもしやすいというメリットもあります。
エージェントを介してフリーランスの契約をしている場合には、エージェントに無断で正社員に切り替えることはできません。もしオファーを直接受けたら、エージェントに相談をしましょう。
働きたい企業に自分からアプローチ
気になる企業がある場合は、自分からその企業にコンタクトを取る方法もあります。転職サイトや企業の採用ページから応募するのもよいですが、SNSやWantedlyのような求人サービスを利用して、企業に直接コンタクトを取る方法もあります。
後者であれば、転職の選考に入る前に、まずは会って話を聞いてみたいという交渉も可能でしょう。カジュアルに話ができるので、フリーランスから正社員の転職という点の評価やその企業での働き方、必要スキルを自分自身で詳しく確認することができるメリットがあります。いきなりスキルシートを送付して選考に進むよりも、お互いの理解が深まり選考後の認識の相違も減らせるでしょう。
人脈を使って仕事を探す
過去の取引先や同僚などに、転職先を探している旨を伝える方法もあります。自分のスキルを十分に活用できる転職先がないか探しているという状況であれば、知り合いに転職を考えている旨を伝えてみるとよいでしょう。エンジニア不足に悩む企業は多いので、「この企業が探してたよ」という情報を得られたり、担当者につないでもらえたりすることもあります。この場合も、改まって選考の前にお互い情報収集ができる点は大きなメリットです。
ただし、紹介してくれた方に気を使ってしまうような場合はお勧めできません。「あの人の紹介だから断れない…」「せっかく紹介してもらったのに採用されなかった…」「条件交渉しづらい…」と考えてしまうのであれば、人伝手に紹介してもらうのは避けたほうが無難です。
以上、転職先を探す4つの方法をご紹介いたしました。エージェントに相談をすると、公平な視点での情報量も多く、フリーランスから正社員というキャリアの相談もできるメリットがあります。フリーランスから正社員に転職する場合には、一度相談してみるのがおすすめです。
フリーエンジニアが正社員に転職する際に気を付けたい3つのこと
フリーランスから正社員へ転職する場合にはいくつかの注意点があります。主に気を付けたい点はこちらの3つです。
- 年収は下がる可能性がある
- 腰を据えて働く覚悟があるか
- 個人事業を廃業するかどうか
年収は下がる可能性がある
フリーランスの報酬は社員よりも高めに設定されている場合が多いです。フリーランスの契約には、正社員の雇用にかかる有休や福利厚生、交通費などの費用が発生しないため、正社員の給与よりも高めの報酬が設定されています。求人内容の年収を見ると、フリーエンジニアの報酬よりも低く、正社員への転職を悩んでしまう方もいらっしゃいます。
しかし、フリーランスから正社員になり、年収総額は下がっても手取りは変わらないという場合もあります。会社員は、給与の基礎控除もあり社会保険料も会社と折半になりますので、給与の支給額から差し引かれる税金額や保険料がフリーランスのそれらよりも少なくなります。年収により税額は開きがありますのでご自身の年収で確認してみてください。
手取り年収も下がってしまうということも考えられます。正社員になると、フリーランスにはない有休や福利厚生の制度を使うことができるようになります。有休は、転職初年度であれば年間10日は付与されるでしょう。正社員として働き収入は減っても、休日や保障が増えると言えるでしょう。
腰を据えて働く覚悟があるか
正社員になるということは、ある程度の期間、その企業で働くことになるでしょう。フリーエンジニアは、契約更新ごとに内容を見直したり、契約を終了して新たな案件にシフトしたり、仕事内容や働き方を柔軟に短いスパンで見直すこともできます。しかし、正社員になると、基本的には与えられた業務はこなさなければなりませんし、働き方は就業規則に則ったものになります。そのプロジェクトで働きたいという意思をもって転職をしても、半年後には別のプロジェクトに異動になることも十分に考えられます。
もし自分の専門外のプロジェクトメンバーにアサインされても、正社員では基本的には断ることはできません。そのような事態になっても「転職先で働き続けたい」という一種の覚悟が必要です。
個人事業を廃業するか
フリーランスから正社員になる場合、個人事業を完全にやめるのか考えておきましょう。個人事業の廃業は、税務署や都道府県税事務所に廃業の届出が必要になります。さらに青色申告の場合は青色申告の取りやめの届出が、消費税課税事業者の場合は事業廃止の届出が必要です。
個人事業は、今後全く活動しないということであれば廃業手続きをします。正社員になっても副業として開発の受託や講師、ライター業などの活動をするなどの可能性がある場合には、個人事業は廃業せず残しておくとよいでしょう。
廃業した場合でも、その年度末の青色申告はお忘れなく。
転職する場合の手続き
最後に、フリーランスから正社員になる場合に必要となる手続きについて簡単にご紹介します。
- 廃業手続き
- 国民健康保険の脱退手続き
- 個人事業の契約解除
廃業手続き
「フリーエンジニアが正社員に転職する際に気を付けたい3つのこと」の章でも少しご紹介しましたが、個人事業を廃業する場合には税務署等へ廃業等の届出をしなければなりません。
参考
国民健康保険の脱退手続き
国民健康保険の脱退は、市区町村役場に届出が必要です。転職先から健康保険証をもらい次第、新しい健康保険証と今までの国民健康保険証を持参して手続きします。
一方で、国民年金は、転職先の厚生年金に加入をすれば自動で脱退となります。手続きは必要ありません。
参考
個人事業の契約解除
個人事業で契約をしていたものやサービスの契約解除の手続きも忘れずに行いましょう。個人事業用に借りていたオフィスや、スマホやポケットwifi、会計ツールなど都合よいタイミングで契約を解除しましょう。
まとめ
フリーエンジニアの転職についてまとめました。フリーランスとして独立したら、一生フリーランスというわけではありません。社員として転職をすることも十分可能です。社員への転職も視野に仕事を探したいという場合には、エンジニア専門のエージェントにキャリア相談をしてみてください。転職・フリーランスといった雇用形態に関わらず、自分のスキルや働き方に見合った仕事を紹介してもらえるはずです。
フリーランスとしてのキャリアの悩みも全力でサポートいたします。
まずは無料会員登録を。